最近色々医療の話題が・・・ |
56歳の主婦が合格点をうわまっていたのにもかかわらず医学部を不合格になった件、これに関しては色々な意見があります。現行の制度だと彼女が卒業できるのが62歳、規定の研修制度終了が64歳、更に専門課程で研修を受ければ、専門医として認められるのは早くても68歳前後です。そして、彼女に投入される国費(=税金)は約6000万円。ならば、若い人を合格させた方が良いという考え方が大学当局の判断だったのでしょう。
私見ですが、医師にも色々な形があります。専門科の違い、臨床か研究か、一次医療か三次医療か、、、68歳の彼女でも十分に働ける場所は必ずあると思います。面接があったということですが、、、彼女の熱意は伝わらなかったのでしょうか?
卒業後の2年間の研修制度が義務づけられるようになり、大学病院での研修希望者が激減しています。地方の医大では必要数の30%くらいしか集まっていない所もあるようです。その結果、大学の医局は関連病院に医師を派遣することができなくなり、特に地域医療に大きな支障がでてきています。
ちょっと前のNHK ETV特集で、北海道の田舎の診療所が市町村合併の煽りを受け経費削減され、医師が抗議して辞めるまでのドキュメントをしていました。その医師は、医局から派遣された訳でもなく、地域医療を実践したい為に赴任しており、さまざまな工夫をしながら医師やスタッフを充実させ、実際病院は黒字経営でした。ところが合併により他の街に規模の大きい病院があるため、そちらを新しい市の中心に据えるという市長の方針で診療所は経費を大幅に削減されてしまったのです。
正直、医局と関係なしに地域医療の為に来てくれる医師がどれほどいるのか?本当に貴重な、神様のような医師です。しかも、経営能力も高く、スタッフや患者からの人望も厚い、、それに対比して、ただ”数の論理”で判断しようとする・現場を見ないお役所仕事は、、、際立っていましたね(笑)。市長に何を言っても、”いや あっちの病院の方が大きいので、判るでしょうって(笑)”
結局は”人”なんですけどね、市立舞鶴病院も有名な副院長が退職してから数年で医師数0という異常事態になってしまいましたが、市長の答弁はあくまでも自分の判断を正当化することだけに終始していました。乱暴な言い方ですが、公立病院は少々の赤字でも僕は良いと思っています。他の民間病院ではできない手厚い医療サービスをすればよい訳です。評価は、、、全国の他の病院とすれば良い。数字でしか判断できないお役所は、、、ほっとけば良い(笑)くらいの気概でスタッフがやればいいんです。
これからの病院は、いかに良い医師を確保できるかで生き残りがかかってきます。ここでいう”良い医師”の一番の条件は、、、、私は”他の医師から慕われる、この先生となら一緒に仕事をしたい”と思われるような医師です。医局からの医師の定期的派遣システムはいずれ近いうちに崩壊するでしょう。そういう医師が”来たい”と思うような病院作りが行政の方に求められる時代ななってきています。
事実私も仕事を評価してくれなかった病院には辞表を叩き付けた経験がありますし、赴任そうそう”こういう医療をしたいからこうい機器を購入して欲しい”と院長先生に談判し購入してもらった時は、任期を延長して勤務し十分還元しました(笑)。そうなんです、結局は”人と人のつながり”なんです。我々の世界も。
とりとめも無く書きましたが、、、いや本当に腹が立ったんです(笑)、あの番組を見て。