訃報 |
この観音の地にもう何十年も前から開業されており、その豪快な性格と人懐っこさ、面倒見のよさから患者さんを含めたこの地区の人たちや広島の医師から慕われていた先生だった。私がこの地に開業する事を決め挨拶をした時の事はよく覚えている。開業の経緯を聞かれた後、”よし、わかった。がんばれ!”と言われ、医師会関係や地元の方を色々紹介してもらった。開業直前には、開業の準備でお世話になった方やこれからお世話になる方に集まっていただいてパーティーをしたが、その段取りも全部仕切って頂いた。
開業した後も、この地区の医師会の懇親会の席ではいつも、”どうか、がんばっとるか、患者さんは増えよるか?”と心配して声をかけて頂いた。何よりも開業して最初の白内障手術がその先生だった。 ”お前が開業するまで我慢しとったんだからしっかりやってくれ。” と言われ感激した。術後、”ゴルフボールがよう見えるようになったで。スコアーがよくなったぞ”と喜んでおられた。
通夜に参列し、先生の遺影を見たときから涙がずっと止まらなかった。ゴルフやカラオケを楽しそうにされている僕の知らない若い頃の先生の姿のパネルもあった。”開業して3年経ったらお前もゴルフを始めるんで、わかったか!” とよく言われていた。もう一緒にゴルフをすることも出来ない。
謹んでご冥福をお祈りします。 合掌。