報道特集 「コンタクトレンズ量販店のからくり」について |
私見を述べさせて頂ければ、、、
医業も生業(なりわい)ですし、我々もこれを職業として、家族や職員を養って行かなければいけないので、事業として失敗は許せません。しかしながら、医業とは公共性・福祉性の色が強く、何よりも国民一人一人が毎月積み立てている保険料からお金を頂いているのです。このことを我々医師は決して忘れてはいけません。
振り返って、彼等量販店(及び併設された診療所)のやり方は、”原価割れでレンズを売り客を集め、レンズ処方の際必要な診察料で儲ける”というやり方です。ここでは経済活動が第一の目的であり、”眼の管理をする””眼の病気を診る”という医業本来のことは二の次です。
現状を言うと、併設診療所の開設者である医師も眼科医は殆どいません。眼科医であるならば日本眼科医会か日本眼科学会には必ず入会されていますが、それらに勤務している医師は入会していない方が殆どです。通常大学の眼科医局に入局すれば必ず入会しますので、眼科医局に属しての研修経験が殆どないとみなしてもよいでしょう。
東京などの大都市では眼科以外の科の医師が名義だけ貸したり、診察の殆どを他科のバイトの医師でまかなっている所があるようです。これは実際に聞いた話ですが、私の友人の奥さん(眼科医ではない医師)の勤務している病院に、量販店から土日にバイトをしないかという誘いがあり実際に行ってみたそうです。簡単な指導だけされ、後は「ただ座って診察だけして下さればいいです。薬の投与など何もされなくて結構です。」と言われたそうです。その話を友人が「眼科のバイトは楽でええのう」とか私に言ったものですから、私も口論になり「おまえバカじゃのう、ただ利用されとるだけで。下手したら勝手に名義貸しされとるかも知れんで。何かトラブルがあったらどうするん?責任とれるんか?」と言いました。その後友人は奥さんにバイトを即刻辞めさせたそうです・・・。
私の所では、コンタクトレンズ販売所は併設しておらず、眼の検査をして適正なレンズと度数を決定し処方箋を発行して患者さんに販売店に買いに行ってもらってます。処方箋はどの販売店でも有効なのですが、ある患者さんが量販店に処方箋を持って買いに行った所「うちに併設してある診療所で診察してもらわないとコンタクトは売れません」と言われました。これはまさしく両者がグルになっていて、診察料で儲けている構図が簡単に読み取れます。同じような事が多々あったため、抗議をされた先生もいらしゃったようで最近は処方箋のみでも受け付けてくれるようです。
医業よりも経済活動を優先したやり方、トラブルを放置・対処が出来ないような医師しか置いてない現状、、、、まっとうに仕事をされている眼科医や何も知らされていないユーザーからみれば許せません。