2008年 03月 30日
好奇心? ミーハー? 正義感? ”放送禁止”について |
のま眼科の野間一列先生のブログ、”眼科と夜と音楽と、、、” は私を常に刺激し、時には打ちのめし、そして時には励ましてくれます。先生と飲む時はいつも眼科/医学の事で話がいっぱいいっぱいになることが多いのですが、時には文学や音楽の話題でDEEPに語られることも一緒に飲みに行く時の密かな(笑)楽しみにしています。
そんな先生のブログに先日”放送禁止”というタイトルで記事がアップされていました。それを読んで私の心の中で何かがゆっくりとはじけました。”自分もこのブログを始めて3年、そろそろCOOLな論調だけではなく、DEEPな論調で/話題についても語っても良いだろう” ”もっと違う内面をさらけ出しても良いのでは”
ということで、この度 ”Going Underground” という分類を作成しました。ここにはDEEPでコアな話題を書き込むようになると思います。従って私の違った一面が現れると思います(笑)。 では、たまには私にも ”放送禁止” について語らせて下さい(笑)。
高校時代、同級生から ”ミーハー”というレッテルを張られ(無論好意的な意味では無い)、その頃から ”人と違うもの” ”そういうものを追い求める人間” に価値を見いだす傾向にあった私は、その資質を変化させることなく大人になっていった。
最初に出会い/今でも追い続けている”放送禁止”作品は、ウルトラセブンで欠番となった第12話 ”遊星より愛をこめて” 監督は奇才実相寺昭雄、ゲストに”フジ隊員”こと桜井浩子。”原爆で自分の星を失った宇宙人が、生き続ける為に地球人の血を集めに来る” という暗いストーリーだが作品自体の仕上がりは実相寺のワークが冴え、ヌーベルバーグを髣髴させる清涼感かつメルヘンチックな雰囲気に支配されており、正にタイトルそのままである。 初回放送時は何のクレームも無く数年が過ぎたが、1970年に子供向け雑誌に”ひばく星人”という肩書きが付けられたのが発端。奇しくも左翼の活動が絶頂期を迎えていた時代、 ”被爆者を怪獣扱いするのか!” と当然の如く集中砲火を浴び円谷プロは早々に欠番を決定する。以降1980年頃 関東ローカルの”夕焼けロンちゃん”という番組で ”ウルトラファイト 編集版”が偶然放送されたのみで幻の作品となっている。
普通ならこれでこの話は ”アングラビデオや1970年以前の掲載雑誌は高値だよね〜” で終了するのだろうが、某出版業界人を核とした”12話会” という団体が2002年頃 突如 ”1/49計画” という電話帳並みのボリュームのある同人誌を有明のコミケで販売したことで再び論議されるようになる。本を契機にネット上でも掲示板等で様々な論議があり、色んな雑誌やその手の本で取り上げられ、そういうミクロな世界の世論であっても再沸騰させた功労者として彼らは語られるべきであろう。その後彼らは昨年末の第3号をもって活動を停止しているが、”2007年現在12話に抗議活動している団体はない” ”これは作成側の自主規制に過ぎない” ”だから封印解除を!” と結論づけている。おたく心を持ち続けた大人達のパワー、恐るべし! というのが私の率直な評価だ。
作品を通じて”被爆者を卑下する表現”は一つもない、なんせ本編では”被爆者”という言葉は一言も発せられていないのだから。シナリオを書いた佐々木守(男ドアホウ甲子園等で有名)は晩年、”この作品のテーマは平和への願いで一環しており、その表現も当時の世情と比べて行き過ぎは無い、是非封印を解除して欲しい”と訴えていた(by フラッシュ)。
私感では、この作品の封印を解除する為のネックは二つ ”原爆病”という曖昧な表現と、登場する宇宙人の造形が”ケロイド”をイメージしている事。前者は、当時まだ原爆症に対する認識が甘かったということで音声変換すればクリア可能だが後者は、、、正直広島に生を受け育った者として気持ちの良いものではない。監督の実相寺はぬいぐるみ造形の際”ケロイド状のものを付けてくれ”と注文したらしいが、その真意は今は鬼籍となった彼に問う機会もない。
”多分当時は誰も何も気にしていなかったのだ” というのが私の率直な気持ちである。価値観/常識は時代によって常に変化する。”当時の常識では良かったこと” を 今の常識で非難し裁くことは私はアンフェアだと思うし、そういう活動を目的とする団体も嫌いだ。あの名作絵本、”ちびくろさんぼ” を絶版に追い込んだ大阪の家族3人でやってた団体などはその最たるものだろう。数年前十数年ぶりに岩波書店以外から再販されたが何もクレームはない。反対する団体が消滅したからだ。
”一度封印を解除してみればよい” その上で反対があればそこから皆で考えてみれば良いのだ。殆どの人が見た事がない作品についてこれだけ大勢の人間が騒ぐのが私には不思議でたまらないし珍奇に感じる。

そんな先生のブログに先日”放送禁止”というタイトルで記事がアップされていました。それを読んで私の心の中で何かがゆっくりとはじけました。”自分もこのブログを始めて3年、そろそろCOOLな論調だけではなく、DEEPな論調で/話題についても語っても良いだろう” ”もっと違う内面をさらけ出しても良いのでは”
ということで、この度 ”Going Underground” という分類を作成しました。ここにはDEEPでコアな話題を書き込むようになると思います。従って私の違った一面が現れると思います(笑)。 では、たまには私にも ”放送禁止” について語らせて下さい(笑)。
高校時代、同級生から ”ミーハー”というレッテルを張られ(無論好意的な意味では無い)、その頃から ”人と違うもの” ”そういうものを追い求める人間” に価値を見いだす傾向にあった私は、その資質を変化させることなく大人になっていった。
最初に出会い/今でも追い続けている”放送禁止”作品は、ウルトラセブンで欠番となった第12話 ”遊星より愛をこめて” 監督は奇才実相寺昭雄、ゲストに”フジ隊員”こと桜井浩子。”原爆で自分の星を失った宇宙人が、生き続ける為に地球人の血を集めに来る” という暗いストーリーだが作品自体の仕上がりは実相寺のワークが冴え、ヌーベルバーグを髣髴させる清涼感かつメルヘンチックな雰囲気に支配されており、正にタイトルそのままである。 初回放送時は何のクレームも無く数年が過ぎたが、1970年に子供向け雑誌に”ひばく星人”という肩書きが付けられたのが発端。奇しくも左翼の活動が絶頂期を迎えていた時代、 ”被爆者を怪獣扱いするのか!” と当然の如く集中砲火を浴び円谷プロは早々に欠番を決定する。以降1980年頃 関東ローカルの”夕焼けロンちゃん”という番組で ”ウルトラファイト 編集版”が偶然放送されたのみで幻の作品となっている。
普通ならこれでこの話は ”アングラビデオや1970年以前の掲載雑誌は高値だよね〜” で終了するのだろうが、某出版業界人を核とした”12話会” という団体が2002年頃 突如 ”1/49計画” という電話帳並みのボリュームのある同人誌を有明のコミケで販売したことで再び論議されるようになる。本を契機にネット上でも掲示板等で様々な論議があり、色んな雑誌やその手の本で取り上げられ、そういうミクロな世界の世論であっても再沸騰させた功労者として彼らは語られるべきであろう。その後彼らは昨年末の第3号をもって活動を停止しているが、”2007年現在12話に抗議活動している団体はない” ”これは作成側の自主規制に過ぎない” ”だから封印解除を!” と結論づけている。おたく心を持ち続けた大人達のパワー、恐るべし! というのが私の率直な評価だ。
作品を通じて”被爆者を卑下する表現”は一つもない、なんせ本編では”被爆者”という言葉は一言も発せられていないのだから。シナリオを書いた佐々木守(男ドアホウ甲子園等で有名)は晩年、”この作品のテーマは平和への願いで一環しており、その表現も当時の世情と比べて行き過ぎは無い、是非封印を解除して欲しい”と訴えていた(by フラッシュ)。
私感では、この作品の封印を解除する為のネックは二つ ”原爆病”という曖昧な表現と、登場する宇宙人の造形が”ケロイド”をイメージしている事。前者は、当時まだ原爆症に対する認識が甘かったということで音声変換すればクリア可能だが後者は、、、正直広島に生を受け育った者として気持ちの良いものではない。監督の実相寺はぬいぐるみ造形の際”ケロイド状のものを付けてくれ”と注文したらしいが、その真意は今は鬼籍となった彼に問う機会もない。
”多分当時は誰も何も気にしていなかったのだ” というのが私の率直な気持ちである。価値観/常識は時代によって常に変化する。”当時の常識では良かったこと” を 今の常識で非難し裁くことは私はアンフェアだと思うし、そういう活動を目的とする団体も嫌いだ。あの名作絵本、”ちびくろさんぼ” を絶版に追い込んだ大阪の家族3人でやってた団体などはその最たるものだろう。数年前十数年ぶりに岩波書店以外から再販されたが何もクレームはない。反対する団体が消滅したからだ。
”一度封印を解除してみればよい” その上で反対があればそこから皆で考えてみれば良いのだ。殆どの人が見た事がない作品についてこれだけ大勢の人間が騒ぐのが私には不思議でたまらないし珍奇に感じる。

by makoo2001
| 2008-03-30 23:17
| Going Underground
|
Comments(3)

新矢先生、こんにちは!素晴らしい記事です!
先生が眼科医であることがもったいなくて仕方ありません。
放送禁止という概念の根底には、被害者意識の高い人々からの糾弾をやみくもに恐れるという局側のヘタレぶりがあるわけで「くさいものには蓋をしておきさえすればよい」という信念のなさ、思考拒否ぶりが伺えます。
スペルマ(この名前自体がヤバイですが(^^♪)星人の話も、小学○○生の付録のカード(だったか?)をたまたま見つけた人からの糾弾で欠番となったもので、ご指摘の通り、放送中に「違和感を感じる被爆者」の方は皆無だったのではないかと想像いたします。私も表現の自由を奪おうとする団体はVIP患者と並んで大嫌いです!ところでアパッチ野球軍が観たいのですが、何とかなりませんかね...
先生が眼科医であることがもったいなくて仕方ありません。
放送禁止という概念の根底には、被害者意識の高い人々からの糾弾をやみくもに恐れるという局側のヘタレぶりがあるわけで「くさいものには蓋をしておきさえすればよい」という信念のなさ、思考拒否ぶりが伺えます。
スペルマ(この名前自体がヤバイですが(^^♪)星人の話も、小学○○生の付録のカード(だったか?)をたまたま見つけた人からの糾弾で欠番となったもので、ご指摘の通り、放送中に「違和感を感じる被爆者」の方は皆無だったのではないかと想像いたします。私も表現の自由を奪おうとする団体はVIP患者と並んで大嫌いです!ところでアパッチ野球軍が観たいのですが、何とかなりませんかね...
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遅らばせながら、市民球場の記事をリンク(剽窃?)させて頂きました。
こちらへもコメント、有難うございます。12話会のメンバーは当時の放送ビデオを被爆者運動のお偉いさんに見てもらい、”特に問題はないと思う”とまでの言質を引き出しています。アンヌ隊員ことひし美ゆり子氏は、円谷プロが封印を解かない理由を現最高顧問で当時監督経験のある満田氏から聞き(内容は不明)納得したようですが、今年初頭のブログで、”12話の封印を解く”ことを目標とすると述べていました。
少しずつ状況はよくなって来ているのか?/いや変わっていないと私は思っています。悲観はしていませんが。
アパッチ野球軍も好きなアニメでしたが、あれも放送禁止なんですか? 知りませんでした。あの歌は大好きだったんですが(笑)。
P.S. 宇宙人の名前はスペル星人です、、、、、、、、、、、
少しずつ状況はよくなって来ているのか?/いや変わっていないと私は思っています。悲観はしていませんが。
アパッチ野球軍も好きなアニメでしたが、あれも放送禁止なんですか? 知りませんでした。あの歌は大好きだったんですが(笑)。
P.S. 宇宙人の名前はスペル星人です、、、、、、、、、、、