2008年 11月 21日
やれやれ・・・ |
麻生首相のこの発言、、、
”医師は社会的常識がない”
まあ、確かに社会的常識が無いと感じる人はたまにいらっしゃいますが(笑)、それはどこの世界でも同じでしょう。じゃあ政治屋さんはどうなんでしょうか?
以前も書きましたが、医師不足の根本の原因は、数年前の卒後研修制度の改革です。これにより医局に所属したり自分の出身大学に残る研修医が大幅に減り関連病院に人が回せなくなったのが原因です。更に言えば医療事故をことさら面白可笑しく書き立てるマスコミとそれを世論と勘違いして自己規制する病院・経営者側の姿勢・検察の対応が、医師を ”こんなんじゃあやってられない” という気持ちにさせている事は、現場にいる私には良く判ります。
従って、麻生首相の ”医師が増えたから減らせと言ったのは医師会ではないか” との発言は、医師不足の原因を全く理解していないトンチンカンな発言です。1990年から日本の医師の数はずっと増え続けているのです。
更に、、、
大学病院も独立行政法人になってから残業代が少しつくようになったらしいですが(私の居た頃は”残業代”という概念はまったくありませんでした(笑))、労働基準局の指導により 週〇〇時間の労働時間の遵守が求められるようになり、近年では長時間の残業はできなくなりました。
私が大学病院で手術係をしていた頃は既に看護師sideがそういう勤務体系をとっており、大手術の途中でも時間が来れば ”お疲れ様でした~(笑)” と帰って行く光景がみられ、代わりに手術係である私が手洗い介助についていましたが、今では若い医者に頻回の残業をお願いすることができないという状況になってきており、それ故に ”時間が来れば帰っていいんだ” と普通に考える若い医者が増えてきているそうです。これは、医師の医師たる社会常識、つまり、医療とは”奉仕の精神”で行うもの という考えを育む機会を減らす由々しき事態だと私は危惧しています。
このような社会的な構造変化が、医師のモラルの形成にも悪影響を与えている事に政府関係者ならびに厚生労働省の方々はお気付きなのでしょうか?
全国的に救急医療の崩壊が危惧されていますが、広島市の眼科救急は昔も今も大学病院眼科が全部引き受けています。しかしながら上記の事もあり大学は人的にもパンク寸前です。これを救うべく来年4月に中区千田町にできる広島市夜間救急診療所に眼科も常設しようという話がでて、内科医師会の了解を得て建物の設計変更もして頂き、先日の広島県眼科医会総会の決議で会員の賛成多数で協力することなりました。大学病院だけではなく、勤務医、開業医の連携・包括により眼科救急を受け持とうということに相成ったのです。中国地方では初めてだそうです。うまく行って欲しいと願っていますし、無論私も参加します。
”医師は聖職であり批判されるべきものではない”と考える時代がとっくに終了しているのを我々医師は周知しています。ネット情報を鵜呑みにされ誹謗中傷や色んな所で叩かれる時代、やはり一番大切なことは目の前の患者さんとしっかりコミュニケーションをとりながら良き信頼関係を形成することに尽きると思うこの頃です。
”医師は社会的常識がない”
まあ、確かに社会的常識が無いと感じる人はたまにいらっしゃいますが(笑)、それはどこの世界でも同じでしょう。じゃあ政治屋さんはどうなんでしょうか?
以前も書きましたが、医師不足の根本の原因は、数年前の卒後研修制度の改革です。これにより医局に所属したり自分の出身大学に残る研修医が大幅に減り関連病院に人が回せなくなったのが原因です。更に言えば医療事故をことさら面白可笑しく書き立てるマスコミとそれを世論と勘違いして自己規制する病院・経営者側の姿勢・検察の対応が、医師を ”こんなんじゃあやってられない” という気持ちにさせている事は、現場にいる私には良く判ります。
従って、麻生首相の ”医師が増えたから減らせと言ったのは医師会ではないか” との発言は、医師不足の原因を全く理解していないトンチンカンな発言です。1990年から日本の医師の数はずっと増え続けているのです。
更に、、、
大学病院も独立行政法人になってから残業代が少しつくようになったらしいですが(私の居た頃は”残業代”という概念はまったくありませんでした(笑))、労働基準局の指導により 週〇〇時間の労働時間の遵守が求められるようになり、近年では長時間の残業はできなくなりました。
私が大学病院で手術係をしていた頃は既に看護師sideがそういう勤務体系をとっており、大手術の途中でも時間が来れば ”お疲れ様でした~(笑)” と帰って行く光景がみられ、代わりに手術係である私が手洗い介助についていましたが、今では若い医者に頻回の残業をお願いすることができないという状況になってきており、それ故に ”時間が来れば帰っていいんだ” と普通に考える若い医者が増えてきているそうです。これは、医師の医師たる社会常識、つまり、医療とは”奉仕の精神”で行うもの という考えを育む機会を減らす由々しき事態だと私は危惧しています。
このような社会的な構造変化が、医師のモラルの形成にも悪影響を与えている事に政府関係者ならびに厚生労働省の方々はお気付きなのでしょうか?
全国的に救急医療の崩壊が危惧されていますが、広島市の眼科救急は昔も今も大学病院眼科が全部引き受けています。しかしながら上記の事もあり大学は人的にもパンク寸前です。これを救うべく来年4月に中区千田町にできる広島市夜間救急診療所に眼科も常設しようという話がでて、内科医師会の了解を得て建物の設計変更もして頂き、先日の広島県眼科医会総会の決議で会員の賛成多数で協力することなりました。大学病院だけではなく、勤務医、開業医の連携・包括により眼科救急を受け持とうということに相成ったのです。中国地方では初めてだそうです。うまく行って欲しいと願っていますし、無論私も参加します。
”医師は聖職であり批判されるべきものではない”と考える時代がとっくに終了しているのを我々医師は周知しています。ネット情報を鵜呑みにされ誹謗中傷や色んな所で叩かれる時代、やはり一番大切なことは目の前の患者さんとしっかりコミュニケーションをとりながら良き信頼関係を形成することに尽きると思うこの頃です。
by makoo2001
| 2008-11-21 13:42
| 医療関係雑感
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