東へ西へ…一人っきりの夏休み(笑) 前編 |
土曜始発の飛行機に乗り、まずはお江戸へ。浜松町から深川、そしてまず最初にたどり着いたのは、東京都現代美術館で開催中の、
”館長 庵野秀明 特撮博物館” です。
日本の映像の歴史を考える際、”特撮”(特殊撮影)は世界的に誇る技術としてその名前は世界中に轟いています。戦前・戦中映画から、戦後のゴジラシリーズ、そして我々の年代にとっては、特撮は特にウルトラマンシリーズを代表するTVドラマの中で、当時少年だった僕達に現実離れした映像世界と夢、そして豊かな想像力と未来を提示してくれました。
残念ながら、近年の映画ではミニチュアを使用した特撮はほぼ絶滅し、CGで作られている場合が殆どです。この度、特撮に魅せられた我々の世代のクリエーター達が、この技術を総括し後世に残していこう、という動機とコンセプトで開催されたのが今回の展示ということです。館長 庵野秀明はエヴァンゲリオンの製作者として有名ですが、我々の世代では”ダイコンフィルム版 帰ってきたウルトラマン”での方がはるかに通りがよい(笑)。この人ならば納得が行くかな、かなり期待していました。
朝10時の開館に間に合いましたが既に10分待ち、入っても展示品の前には長蛇の列…中々現物が見れないのには閉口しましたが、ここは我慢強く巡視(笑)。しかしながら疲れる~頑張って一時間かけてほぼ全展示を見ることができました。
最後の地下の展示では、結構大きな街のミニチュアが作られており、実際にTVカメラに写りこむことも可能な様な工夫がされていました。折角なので、
一緒に写りこませて頂きました。まあまあでしょうか?
しかしながら個人的にはちょっと物足りない展示。もう少し特撮の技術的な面や工夫をわかり易く展示して欲しかった。最後に”巨人兵”の短編映画が上映されていましたが、折角ならCGは排除して、すべて従来どおりの技法で撮って欲しかった…新しい技術との融合は必要ですが、オマージュとしては今のメンバーで純粋に撮って欲しかったと言うのが個人的な感想です。
昼飯はせっかくなので名物
深川飯を頂きました。普通(笑)。
次の訪問は、天下の東京大学の近くにひっそりとある弥生美術館で開催されていた、
”大伴昌司の大図解展”です。
”大伴昌司”、知ってる方は少ないと思われます。本業はSFサッカー、ライターですが、我々の世代にとっては、怪獣やウルトラマンの腑分け(解剖図)をした人として通ってます。子供の頃、少年誌に怪獣やウルトラマンの解剖図が載った時、我々の想像力は刺激されました。「バルタン星人のはさみの中はこんなになっとるんじゃ」 「ゼットンの火の玉はここでつくられとるんじゃ」等々(笑)。1973年37歳で急逝された為、あまり知られていない存在でしたが、最近再評価がされてきている方です。原稿用紙に殴り書きされたデッサンを見ながら、”この人、本当に子供のことが好きだったんだな”と勝手に想像してしまいました。
こちらを後にして新宿に移動、小田急線に乗りました。着きましたのは祖師ヶ谷大蔵駅、そう、円谷プロがかつてあった場所で、駅を含めて周辺にはロケ地が多数あります。せっかくなので、ちょっとの時間途中下車。
祖師ヶ谷大蔵は、”ウルトラマンの生まれた街”として、街起こししているようで、駅には大きな掲示、駅前商店街にはこのような飾りがいたる所にありました。この通りをまっすぐいけば、セブンの名作”円盤が来た”で有名な蕎麦屋等色々残っているはずなのですが…時間の関係で訪問できず(涙)。
駅に戻り再び小田急線で江ノ島方面に向かい、約一時間強で…
”JOLI CHAPEAU”に到着! こちらはウルトラセブンのモロボシ・ダン隊員こと森次晃嗣さんが経営されています。聖地(笑)。
目的は、こちらで月一で催されているファンミーティングへの参加です。今回のゲストは同じくウルトラセブンの”アマギ隊員”こと古谷敏さん。有名な話ですが、セブンの前に放映されていたウルトラマンでは、その抜群のプロポーションを見込まれ、俳優でありながらウルトラマンの中に入って演技されていました。
お客は私と年齢が前後5歳違いくらいのおっさんばかり。私のような初心者もいれば、常連さんもいます。トークショーでは当時の色々なお話もでいますが、突然思い出された記憶も時々披露され、それがまた面白い。コアなファンばかりなので、内容もコアになり、そればまた楽しい(笑)。
サインタイムでは、皆さん綺麗にプリントされたダンやアマギのスチール写真を用意されていましたが、私は知人に頼まれた色紙と、子供の頃から大事にとっているぼろぼろになったウルトラ怪獣大図鑑をおずおずと差し出しました。手にとったお二人は”古いな~これ、子供の頃のやつ?”と聞かれたので、”はい”とばかりこの本を持って写っている4歳の頃の写真をお二人にお見せすると、”放送当時は君はこんなんだったんだ~”と言われ本を見ながら”すごいな~読んでるな~”とお褒めの言葉を頂いたのは一生忘れることはできないでしょう。
左が4歳9ヶ月の私、牛田新町の不動院バス停前にて。余談ですが、この後本通りで迷子になりながらもこの本は失くす事なく、全く血縁関係のない”子供服のしんや”で保護され、両親が迎えに来るまで銀紙にくるまれた丸いチョコを頂いていた事をさっき思い出しました(笑)。
最後の記念撮影では、アマギ隊員に”ほら、子供の頃に戻って!笑顔で!ニコッと!”と言われ、頑張った笑顔の方は残念ながらピンボケ…、でもこちらの写真からも嬉しそうなのが伝わりますでしょうか?
その後8時までフリータイム、色々な人と色々な話をさせて頂きました。童心に戻ったような会、サインを本にして頂いたおかげで、この40数年の空白が繋がったと思います、忘れ物が戻ってきた気分(笑)。中々訪れることは叶いませんが、機会があればまた行きたい。お二人は来年で70歳!いつまでもお元気で!
おまけ
夕食は名物”ダンのハヤシライス”とビールでした(笑)。美味!